2011年5月1日日曜日

チェザーレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷

『ローマ人の物語』で有名な塩野七生さんの初期の作品。


チェザーレと同時代を生きたマキアヴェッリは、『君主論』の中で優れた君主としてチェザーレを挙げている。


「イタリア?」「そうだ、イタリアだ。」


当時、フィレンツェ人、ヴェネチア人、ミラノ人、ナポリ人はいても、イタリア人はいなかった。詩人の辞書以外には出ることの無かったそのイタリアという言葉をイタリア統一という野望を語る形で口にしたチェザーレとマキアヴェッリが絡むシーン。チェザーレは強固な支配権を打ち立てるという目的の為に、正統性、倫理性などには全く関係無く、粛々と必要な策を講じていく。


マキアヴェッリがチェザーレを称した「めったにしゃべらない、しかし常に行動している男」。最高じゃないですか。












チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)
チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷 (新潮文庫)塩野 七生

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1 件のコメント:

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